この年、ルイーゼにとって新しい出会いがあった。当時ヴァイマル宮中顧問官であり、

ゲーテと並ぶドイツの文豪シラーとの

出会いである。

 若き作家はこの時以来、ルイーゼの熱烈な

崇拝者となった。

 ルイーゼは、1799年の10月14日に、

幸福な5回目の出産をした。

 しかし、この娘フリーデリーケは、

1800年の3月30日に死去してしまった。

 

 

 ルイーゼのザクセン・ヴァイマル公国の首都のヴァイマル滞在は、多くの知的刺激に満ちた、有意義なものとなった。

 中でも彼女に大きな影響を与えたのは、

シラーの存在だった。

 

フリードリヒ・フォン・シラー
フリードリヒ・フォン・シラー

 

シラーは1799年に代表的な戯曲三部作

『ヴァレンシュタイン』を発表している。

中でも特にルイーゼは第三部の「ヴァレンシュタインの死」に強い感銘を受けた。

彼と出会ってからのルイーゼは、

もっともっと偉大なドイツの作家を知りたいと

熱望するようになった

彼女はシラーと出会ってから、

自分の知的関心の欠如に気付いたのである。

それからのルイーゼは、どちらかと言うと難解な彼らの文学への読書に挑戦するように

なった。

 

 その内に当時これも有名な作家だった

ハインリヒ・フォン・クライストの

妻マリー・フォン・クライストと

知り合い、彼ら夫婦との交流をするように

なっていく。

 それまでのルイーゼは、通俗的で感傷的な

長編小説で女性達に人気があったアウグスト・ハインリヒ・ユリウス・ラフォンテーヌなどの方が好きだった。

ラフォンテーヌは、160冊の作品を出版している。

ハインリヒ・フォン・クライスト
ハインリヒ・フォン・クライスト